生き方

人生を楽しみ主体的に生きるための「エフェクチュエーション」5原則

毎日惰性で過ごしていませんか?
やりたいことを見出せなくて、ただ何となく一日が過ぎるのを待ってはいませんか?

人生は長いようで過ぎてしまえばあっという間です。

つい最近まで、おぎゃーおぎゃー言っていたと思ったら、あっという間に中年です。

ちょっと言い過ぎました。

でもそれくらい早く時間が過ぎてしまいます。

物やお金はいくらでも増やすことができますが、時間は増やすことはできません。

誰にとっても一日24時間は平等に24時間です。

時間をいかに充実させるか、

無駄に費やさず、自分のため、大切な人のため、やりたいことのために使えるか

与えられた条件は同じです。

でも使い方は人それぞれです。

そうであれば、より自分らしく、楽しく、充実させた方が良いですよね。

今日は、どうやったら人生を楽しみ主体的に過ごすことができるかをお伝えしていきます。

起業家の意思決定理論「エフェクチュエーション」

「エフェクチュエーション」とはバージニア大学のSaras Sarasvathy教授が提唱した理論のことで、成功者、起業家たちを研究して導き出した、成功するための意思決定に関する理論のことです。

エフェクチュエーションって馴染みがなく言いづらいですが、Effectuationと書き、Effect(エフェクト)は影響なので、Effectuateで「影響を与える」というような語源から、

「何かを引き起こす、目的や希望を達成すること」

というような意味に捉われています。

そして、エフェクチュエーションには次の5原則があると言われます。

  • Bird-in-Hand:自分の手の中にいる鳥
  • Affordable Loss:許容範囲内の失敗
  • Patchwork Quilt:パッチワーク・キルト
  • Lemonade:レモネード
  • Pilot-in-the-plane:飛行機のパイロット

英語の言い回しなので、ちょっとイメージが付かないものもあるかもしれませんが、
この5つの考え方、心の持ちようが大切だと説き、成功者たちはその考えが共通しているといいます。

主体的に時間を過ごし、結果成功できるなら、その考え方を押さえておいた方が良いですよね。

それでは、その5つのポイントについて解説していきます。

1.Bird-in-Hand:自分の手の中にいる鳥

『青い鳥』という童話があります。

チルチルとミチルという兄弟が幸せの青い鳥を追い求めて、旅をするというような物語だったかと思います。

色んなところを旅して探し回り、それでも見つからず、結局、青い鳥は自分たちがもともと住んでいた家にいた、というストーリー。

現実を見ないで、ここではないどこかの理想ばかりを追い求めることを「青い鳥症候群」なんて呼んだりもしますよね。

「Bird-in-Hand」とは、青い鳥にも通じる考え方です。

他の人ではない、どこか別の場所でもない、まさに自分の手の中のものを見てみよう、ということ。

既に自分の中にある「楽しさ」や「ワクワク」や「幸せ」をもう一度見てみよう、

そしてそれを認識して温めることから始めようという考え方です。

私たちはつい隣の芝が青く見えてしまう、他人のことばかり気にしてしまいます。

でも他人と比べても元々持っている個性や特性が違うのだからそんな必要はないんですね。

自分の内から湧いてくる動機、衝動、高揚を大事にしましょう。

2.Affordable Loss:許容範囲内の失敗

許容範囲の失敗とは、そもそも最初から失敗することを計画に入れ込んでしまおうということです。

例えば旅行に行くとします。

2泊3日でちょっと遠出する計画を立てたとしましょう。

でも日常とは別の環境に行くわけですから、何が起こるか分からない。

行こうと思っていた場所が営業していないかもしれない。

行く途中の道が混んでいて時間通りに到着しないかもしれない。

予定していなかったけど気になるお店があったからちょっと寄り道したくなるかもしれない。

旅行も人生も同じ。

もともと計画していた通りにはならないことの方が多いかと思います。

思いがけないアクシデントや嬉しいサプライズ

予想外のことが起こるからこそ面白いんですよね。

ここではLoss失敗と言っていますが、良いことも悪いこともひっくるめて許容範囲内に入れてしまおうという考え方です。

このような考え方があるとないとではその後の対応が変わってきます。

失敗して当たり前だと捉えて、前向きに対処できるよう、初めから織り込み済みにしてしまいましょう。

3.Patchwork Quilt:パッチワーク・キルト

パッチワークってつぎはぎの布を組み合わせて、キレイな模様になりますよね。

1枚1枚の布がよくるとみんな柄が違っていて、それぞれ個性がある、というのが分かります。

人も同じで、誰一人として同じ模様、同じ柄、同じ性格なんてない。

みんな違ってみんな良い。

同じような人でもよく見ると奥深い個性が垣間見える。

その一人ひとりの個性を大切にして全体で組み合わせると、パッチワークのように素晴らしいものになります。

パズルも同様ですね。

それぞれのピースが組み合わさって素敵な絵が完成する。

このように、環境や状況に応じて、皆が手を取り合って異なる者同士が連携して協力しよう、ということを伝えています。

4.Lemonade:レモネード

レモネードはレモンにハチミツや砂糖、シロップなどを加えて水で割った飲み物です。

レモン単体だと酸っぱくてとても食べられたものではないけど、

そこにハチミツなどが加わることで美味しい飲み物に変わる。

一見、使い物にならないような欠陥品に見えても、ちょっとしたひと手間を加えることで、価値のあるものに変身するという考え方です。

例えば落ち葉

秋になると落葉樹の街路樹のある道沿いは落ち葉の量がすごくて掃除が大変、ということがあると思います。

落ち葉は掃いて集めて捨てられてしまうけど、考え方によっては価値あるものになる。

何もしなければただのゴミだけど、田畑に使えば腐葉土として立派な資源に生まれ変わります。

価値あるものに変身させる工夫とアイデアに繋がるよう視点を変えてみましょう。

5.Pilot-in-the-plane:飛行機のパイロット

飛行機のパイロットは、常に状況判断が求められます。

気圧の変化、気流、気候、運航ルート

どれ一つとして同じ条件はなく、変化する環境変化に柔軟に対応する必要があります。

飛行機のパイロットと同じように、状況に応じて臨機応変に対応しましょうという考え方です。

上記の4つを取りまとめたような考え方かと思いますが、

特に今の世の中はVUCAと言われています。

VUCAとは

  • Volatility変動性
  • Uncertainty不確実性
  • Complexity複雑性
  • Ambiguity曖昧性

の頭文字を取った造語で、複雑で曖昧で変化の大きく不確実性の高い世の中を上手く渡り歩いていく必要がある

だからこそ飛行機のパイロットのように、例え乱気流の中でも安全に運航していかなければなりません。

というわけで

今回はエフェクチュエーションの5原則を紹介していきました。

本来は成功に導くための考え方ですが、「Effectuation」の語源のように、人生を楽しみ主体的に生きるための指針ともなりえるかと思います。

自分の手の内の鳥を再認識し、

失敗を織り込み済みとし、

個の特性を尊重しそれを活かし、

普遍の中から価値を見出し、

臨機応変に対応する

外圧や環境の変化に左右されない自分ならではの生き方を実現させる一つの考え方として参考にしてみてはいかがでしょうか。

それではまた!